立川一門会
前から楽しみにしていた
『立川談志独演会』。
会場の酒田市民会館希望ホールへ行ってみると、貼り紙が・・・
談志師の健康状態が思わしくなく、談春師と談慶師を迎えての
立川一門会になってました
談志師の健康状態も心配ですが、
くんくん さんのブログでおなじみの
談春師と、
慶大経済学部出身の
談慶師を目の当たりに出来るとは・・・
談志師への心配と、談春師と談慶師の噺を聞ける喜びがないまぜになった複雑な気持ちで開演を迎えました。
主催者あいさつの後に、談志師のごあいさつ。
のどの調子が思わしくないとの事で、ガラガラのかすれ声でお苦しそうでした。
いよいよ開演。
最初に登場した
談慶師の出し物は
禁酒番屋。
次第に酔って正体をなくしていく番屋の役人を、談慶師は丁寧に演じていました。
松元ヒロさんのテレビでは決してみれないトークのと中入り(休憩)を挟んで、
談春師が登場。
同窓会から親孝行の噺へマクラを振っておいて、語り始めたのは
八五郎出世(妾馬)でした。
喧嘩っ早くて粗忽者だが、気立ては優しい八五郎の心の動きを
談春師はごく自然に演じていたよういたように思います。
ホロリとさせる場面でも決して押しつけがましく涙を強要するでなく、
殿様への挨拶の場面でも、素直さ誠実さゆえに周囲とのギャップで笑いを誘ってしまう演出になっていて
目の前の
談春師が、思慮不足だが家族思いの八五郎その人に見えてました。
また、大家や母親、殿様など登場人物の演じ分けも自然かつ的確で、
最初の
談志師の挨拶の際に
「古典落語なら今、談春が一番」と言われたのも納得な高座でした。
トリは勿論
談志師。
のどの具合のせいで長い噺はできないため、短いジョーク(小咄)をいくつか
披露してくれました。
「ホントの談志をお見せできない。」
「一番悔しいのはアタシなんです」
と言いながらも、ジョークで笑いを取っていましたが、
何度もせき込みながら話す姿に
談志師の言う
「落語とは人間の業の肯定である」という言葉の一端を見たような気がしました。
最後の挨拶で、「
ノドが治ったら、迷惑をかけた酒田に”
いの一番”
に来ます」と、おっしゃった
談志師。
一日も早い回復と、今度こそ酒田での独演会の開催を心よりお待ちしています。
一門会のお土産。
『談志絶倒昭和落語家伝』
家元の直筆サイン入りです
内容は、昭和の噺家(円生、柳好、三木助、文楽・・・)達の貴重な写真と、彼らについての
談志師の思い出話。
家宝にします
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