杉沢比山
8月6日の夜に、
遊佐町杉沢地区の熊野神社で行われた
国指定の重要無形民俗文化財、「杉沢比山」(すぎさわひやま)を観に行ってきました。
会場でいいただいたパンフレットによると、
「杉沢比山」とは当地に伝わる古い舞いで
起源は定かではないそうですが
鎌倉時代より鳥海山修験の徒に伝承された番楽が、いつしか村人の手に受け継がれたものと推定されるそうです。
舞いには「番楽」「みかぐら」「三番叟」など、それぞれストーリー性のある14の演目があるとの事。
同じ町内に住む者として、「杉沢比山」の名前だけは知っていた私ですが
初めて見に来た私には、観るもの聴くものすべてが新鮮です
実際観に来てみてまず驚いたのは、
舞い手の年齢層の幅広さ!
五穀豊穣を祝う「三番叟」を、キビキビと舞う小学生の舞い手から
「みかぐら」の女装の舞いを、洗練された所作で舞うベテランの舞い手
更には
勇壮かつ華麗な若者の舞い手と、
さまざまな年齢層の舞いを一度に楽しむ事が出来ます
♪
物語の細かい部分や、朗々とながれる謡いの文句は分からなくても
舞台上で繰り広げられるエンターテイメントに思わず引き込まれるほど魅力のある舞いでした
“民俗芸能”というと、どこか「ほそぼそと伝承している」といったイメージを抱きがちですが
杉沢比山は違います!
杉沢比山はこの地区に住まう人たちが、
愛情と誇りを持って文化を発信している“現在進行形の郷土芸能”でした
杉沢比山は毎年熊野神社境内で19:00より、「8月6日の「仕組」・5日の「本舞」・20日の「神送り」と三晩行われます。
室町期に能楽が完成する前の、日本芸能の原点ともいえる貴重な“無形文化財”。
ぜひ多くの方から見ていただきたい芸能だと心から思いました。
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